下肢静脈瘤の種類
下肢静脈瘤ってどんな病気?
下肢静脈瘤は非常に古くから知られていた病気で、パルテノン神殿の麓で発見された古代ギリシャ時代のレリーフ(彫刻)にも下肢静脈瘤がある人物が彫られていました。当時は下肢静脈瘤の血管内には悪い(汚い)血が溜まっていると考えられており、血管から血を抜く、瀉血という治療法が用いられました。
下肢静脈瘤は世界中で多く見られる病気のひとつで、一生涯で10人中6~7人がこの病気になると考えられています。しかし、経過が長期にわたり、症状がわかりにくいため、今までは一般の人にはあまり知られていませんでした。
外見や特徴からわかる下肢静脈瘤の種類
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大伏在静脈瘤
大腿付根から下腿を通り、足関節まで下肢の内側を走る静脈瘤です。写真のような怒張した枝を伴うことが多いです。
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小伏在静脈瘤
膝部から踵部までの下腿の後面を走る静脈瘤です。写真では右下腿ですが、静脈怒張は少なく、下腿部の腫脹や熱感のみを認めることが多いです。
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下腿潰瘍
伏在静脈瘤に併発した下腿潰瘍です。立位が多い職業に多く、飲食業や美容師に多く見られます。
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色素沈着
大伏在静脈瘤に併発した色素沈着です。静脈怒張はほとんど認めず、下腿が全体的に黒くなってます。