治療方法

片足10分程度
日帰りレーザー手術が可能です。

静脈弁の不全、静脈の拡張・瘤化は不可逆の変化です。軽度の下肢静脈瘤の場合、弾性ストッキングをはくことによって、進行を止めることができますが、根本的な治療にはなりません。
当クリニックでは国内初の「血管内レーザー照射術」による下肢静脈瘤の手術を行っており、片足約10分程度の日帰りレーザー手術が可能です。

血管内レーザー照射術

現在、院長が手掛けた「血管内レーザー照射術」の症例数は28,000肢(2023年12月現在)を超え、さらに下肢静脈瘤以外にも、妊娠静脈瘤、動静脈瘻、血管腫などの治療にレーザーを用いています。一方、下肢静脈瘤は治療後の再発が多くみられることから、これを改善するために多くの治療例から、より良い治療法を模索し続けています。

レーザー血管内照射術 症例数

大・小伏在静脈タイプ 9,418例 17,223肢
動静脈瘻合弁タイプ 5,288例 10,403肢
クモの巣状タイプ 33例 66肢
外陰会陰部静脈瘤 308例 533肢
血管芽種・
Klipple Trenanny症候群
221例 313肢
手背~前腕の静脈 24例 26肢

合計: 15,292例 (28,564肢)

(2004.8~2023.12)

当院での手術について

血管内レーザー照射術
(エンドレーザー治療)

当クリニックで多く施行している最新の治療法です。ダイオードレーザーは特異的に赤色のみに反応するので血管壁だけを損傷させ、周囲の組織には何の影響も与えません。片足10分程度で治療ができ、手術当日から普段通りの日常生活ができる点、傷跡が残らないという点で優れた治療法と言えるでしょう。

麻酔について

  • 当クリニックでは現在、
    すべてのレーザー手術は静脈麻酔で
    行なっています。

    従来の低濃度大量局所浸潤麻酔(TLA麻酔)に比べ手術時間も格段に短くなり、手術約2〜3時間の在院で帰ることができます。

  • 麻酔の違いによる大伏在静脈の手術時間
    低濃度大量局所浸潤麻酔(最新500例) 29.6 分
    静脈麻酔(最新500例) 6.3 分
  • 静脈麻酔

    手術中、患者さんは寝ている状態なので、痛みを感じることはありま せん。約2~3時間の在院で帰ることができます。また、この麻酔の影響で静脈が拡張するので、手術操作は容易になり、細かいレーザー手術ができるようになりました。それに伴い、手術時間も格段に短くなりました。

    年齢的には12歳から96歳まで、日本だけでなく海外の患者さんにもこの麻酔を行い、安全に手術を行うことができました。静脈麻酔による血管内レーザー照射術は多くの専門スタッフを必要とする高度な医療です。当クリニックでは、ほとんどが心臓血管外科、循環器内科、麻酔科出身のスタッフなので安心して治療を受けていただけます。

  • 低濃度大量局所浸潤麻酔(TLA麻酔)

    希釈した麻酔液を静脈瘤の周囲に、片足で約200~300ml注入する局所麻酔です。比較的簡単で少人数でもレーザー手術ができ、海外での静脈瘤の手術の多くに、この麻酔が使われています。院長らも、レーザー手術を導入した時には、この麻酔を行っていましたが、日本人は欧米人よりも痛みに弱く、多くの麻酔液を必要とすることがわかってきました。この麻酔では手術中、患者さんの意識があるので、麻酔液の注入はかなりの苦痛を伴います。多量の麻酔液を使用しないと鎮痛できないことも多く、術後に多量麻酔薬の副作用の恐れもありました。さらに注入の際の針を刺す刺激から、攣縮(スパスム)を起こして(血管内腔が極端に細くなること)、静脈瘤の内腔が全くなくなってしまうこともあります。スパスムを起こしてしまうと、手術中に静脈瘤の全体像がつかみにくくなり、手術操作が困難となります。

手術後の再発について

レーザー手術以外の下肢静脈瘤の手術ではどの治療法においても再発率はかなり高いと言えます。(表2)さらに、手術後に再発したほとんどの例で動静脈瘻が認められることがわかり、その関与が考えられます。(表3)現在、当クリニックでは初診時に動静脈瘻の検索を行い、動静脈瘻起因の下肢静脈瘤は手術時に、その治療を行っています。この方法に移行してからの再発はほぼ認めていません。

  • 再発 表2 / 期間1992.1~2003.12

    下肢静脈瘤抜去術 98例/131例 74.8%
    硬化療法 331例/362例 91.4%
    高位結紮+不全交通枝術 785例/886例 88.6%
    初期レーザー手術 * 36例/284例 12.7%

    レーザーは980nmを使用、低濃度大量局所浸潤麻酔(TLA麻酔)を用いた症例での頻度。 現在、当院では1470nm、静脈麻酔を用いています。

  • 再発例中の動静脈瘻の頻度 表3 / 期間2004.8~2010.4

    下肢静脈瘤抜去術 69例/74例 93.2%
    硬化療法 126例/153例 82.3%
    高位結紮+不全交通枝術 81例/98例 82.6%
    初期レーザー手術 * 30例/36例 ** 83.3%

    レーザーは980nmを使用、低濃度大量局所浸潤麻酔(TLA麻酔)を用いた症例での頻度。 現在、当院では1470nm、静脈麻酔を用いています。

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