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心臓が下肢の血液を吸い上げることができるのは全体の3〜4割で、残りは下腿筋が収縮することにより血液が心臓へ押し上げられるのです。下腿筋が「第2の心臓」といわれるのはこのためです。
下肢静脈瘤のため血液のうっ滞があると、組織は酸素不足になり、下肢の特に下腿筋(腓腹筋・ヒラメ筋)の萎縮が始まります。この下腿筋には筋肉ポンプ、いわゆる「第2の心臓」としての重要な働きがあります。
下腿筋の萎縮は更なるうっ滞を引き起こし、このため、ますます下腿筋が萎縮するという悪循環を起こします。この過程では下肢がつる、こむら返りになるなどの症状が現れてきます。
萎縮により下腿筋は伸びきって薄くなり、筋肉内部の静脈(筋肉枝)は拡張します。この静脈はやがて瘤化し、静脈瘤になります。立位時の下肢の張った感じ、重量感、疲労感などはほとんどこの筋肉枝の静脈瘤によるものです。
下肢静脈瘤の重篤な合併症のひとつである肺梗塞(肺塞栓)とは、肺に血栓が流れ込み、肺動脈が閉塞して血液に酸素が運ばれなく状態のことを言います。このほとんどは下腿筋筋肉枝内部の血栓が原因と考えられています。(エコノミー症候群は肺梗塞の一種です)
脱水や発熱、長期入院などで動けない状態が続くと、下腿の筋肉枝の静脈瘤内に血栓を形成し、これが肺に流れ込んで肺梗塞を起こすのです。
小さい血栓が肺に流れ込んだ時には息切れ、呼吸不全、軽い胸痛などが起こりますが、大きい血栓が流れ込むとショック状態になり、最悪の場合は突然死を引き起こすこともあります。